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米国の露出男、「私は性犯罪者」Tシャツ着用の判決(ロイター)

米国の露出男、「私は性犯罪者」Tシャツ着用の判決(ロイター) - goo ニュース

 アメリカのデラウェア州で、少女に自分の局部を露出して見せたことにより有罪判決を受けた69歳の男性が、裁判所から60日間の実刑に加えて、出所後1年10ヶ月間は「私は性犯罪者として登録されています」と書かれたTシャツを着用するよう命じられたそうです。
 黒猫は、テレビで集団痴漢グループの特集を観たときに、怒りのあまり「痴漢で有罪判決を受けた奴は、「私は痴漢です」と大書した服を着るよう義務付けてしまえばいいんだ」と怒鳴ったことがありますが、それと似たようなことを本当に実行してしまうのが、アメリカの裁判所のすごいところです。あの国では、刑罰の内容に法律の根拠は必ずしも必要ではなく、特に法廷侮辱罪の場合にはほとんど何でも命じることができるようですが。

 ところで、黒猫は司法修習時代、検察庁で迷惑防止条例違反(痴漢関係)の量刑資料を調べたことがありますが、そのときに読んだ痴漢事件の行為類型は、大体3つに大別できました。
 1つめは、女性のお尻や陰部などをさわる、いわゆる「おさわり」行為。犯行場所は電車の中が圧倒的に多く、駅間距離の長い東海道線とか、京浜急行の快速特急などでの犯行が多かったような気がします(注:横浜地検の事件です)。
 女性の恥部を触る行為であれば、強制わいせつ罪も成立しそうですが、実務上は上着の上から触っただけの場合は迷惑防止条例違反、下着の中にまで手を入れてしまうと強制わいせつ罪として取り扱われているようです。下着の外から触った場合はどうだったか記憶がはっきりしませんが。
 お触り行為は、近年被害事件が多発し各条例でも厳罰化が進んでいる一方、客観的証拠が残りにくいため冤罪疑惑事件も多いのが特徴です。女性にはひどい言い方かもしれませんが、そもそも、電車のような狭い空間の中で多人数の男女がひしめきあう状態が日常的に起こっていれば、理性を失って悪いことをしてしまう男が一定数出てしまうことは避けようがないのかな、という気もします。集団でターゲットの女性を取り囲んでお触り行為をするというのは、さすがに情状酌量の余地はないと思いますが。

 2つめは、上記のアメリカの老人も行っていた性器の露出行為。なぜこのような行為をするのか黒猫には理解に苦しむのですが、これが意外と多かったです。あるものの本によると、性器の露出行為を行う男性は、概して平均より性器のサイズが小さいそうで、自分の性器に関するコンプレックスを解消するために、わざと男性器を見た経験のなさそうな少女に自分の性器を見せつけ、少女に悲鳴を上げさせることで男としての自信を回復しようとしているんだとか。
 まあ、男性の性器に対するこだわりは時として他人の想像を超えるものがあり、世の中には60歳を過ぎてもう性行為をするような年齢ではないのに、介護の際息子の嫁に自分の性器を見られるときに備えて包茎手術を希望する男性もいたりするそうなので、上記の説も一概に否定はできないと思います。この説が正しいかどうか立証するには、露出犯にペニス増大剤を飲ませて性器を大きくしてやり、それで再犯率が減少するかどうかを調べてみれば分かることですが。

 そして3つめは、射精行為。件数は前二者より少なめでしたが、電車内など公共の場で射精して迷惑防止条例違反で処罰されたという事例が何件かありました。
 記録を見たときには、そもそもどうやったら電車内で射精などできるのか不思議で仕方ありませんでしたが、溜め込みすぎて電車内で暴発するなんて人はまずいないでしょうから、おそらく射精行為に先立って一生懸命自慰行為をしているのでしょう。
 公共の場所で自慰行為をして射精したのであれば、公然わいせつ罪も成立するはずであり、実際弁護士になってからそういった事案が公然わいせつ罪プラス器物損壊罪(女性のバッグに精液をぶっかけた)で起訴された事例を見たこともありますが、両罪の区別が実務上どのように行われているかは黒猫は知りません。あるいは、自慰行為を他人に見えるように行っていれば公然わいせつ罪で、自慰行為を衣服の下でこっそり行っていた場合には迷惑防止条例違反なのかなと想像していますが。
 それにしても、わざわざ公共の場で自慰行為をする男の心理は、本当に理解できません。普通の自慰行為では満足できない人が、他人に見られることで新たな興奮を得ようとするのでしょうか。あるいは、禁欲を志してひたすら自慰行為を我慢した結果、運悪く電車の中で我慢の限界を超えてしまったのでしょうか。それとも、単に性欲を催したら我慢の出来ない性格の人だったのでしょうか。

 ちなみに、上記3類型のほかに、迷惑防止条例が適用される行為類型としては女性の下着の覗き行為・盗撮行為がありますが、これらは起訴例がほとんどなかったですね。覗きや盗撮は、被害女性に気付かれないで行うことが可能であり、特に盗撮は携帯電話の写メールなどで簡単に出来てしまうので、被害件数は多くても発覚件数は少ないのでしょう。実際に起訴されているのも、専用の手鏡を使っていたとかアホみたいな事例ばっかりだし。

 何かくだらないことを延々と書いてしまいました。でも、司法修習や弁護士の実務(企業法務専門の人は除く)をやっていると、こうした下ネタ関係の事件には必ずといってよいほど当たってしまいます。二回試験の検察の科目なんて、キャバ嬢を車内で強姦しようとしたら、性器が戦闘不能のため未遂に終わったって事件が出題されていたからなあ。
 下ネタ以外にも、弁護士が職業柄相手にする人って変な人がかなり多いし、一歩間違えばこちらまで頭がおかしくなります。ロースクールなんぞに行く人は、何百万円も学費を払って、しかも新司法試験や就職や二回試験でふるい落とされるリスクを背負ってまで、なぜ弁護士などになりたがるのでしょうか。一部の成功した人を除いて、収入や待遇も決して良いわけでもないのに。ひょっとして、弁護士がかっこいい職業であるなどと、とんでもない勘違いをしているのでしょうか。
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黒猫

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